"サービス開発に携わりたい新卒向け プロダクトマネジメント論とFigma勉強会" に参加しました!
本記事は、2021 年 8 月 25 日に開催された、dely 株式会社主催の "サービス開発に携わりたい新卒向け プロダクトマネジメント論とFigma勉強会" に参加してみた感想記事になります。
本記事では、
- 勉強会の内容
- 所感
という順でお送りしたいと思います。
勉強会の内容
本勉強会は、タイトルにある通り
- 新卒に向けたプロダクトマネジメントの概要についての紹介
- Figma 初心者向けの Figma の使い方
の前編後編二本立てで構成されていました。
プロダクトマネジメント論パート
前編のプロダクトマネジメント論のパートでは、dely の CXO をされている 坪田 朋 さんという方が担当して、略歴、坪田さんの考えるプロダクトマネジメントとは、大事にしている信条、dely ではこのようにやっている!、などが語られました。
坪田さん曰く、プロダクトマネジメントとは、
- CEO の考えている理想の状態を汲み取って解釈し、
- 現状からその理想までをどうやって到達するかを考える
ことであるそうです。
下記の図のように、往々にして、プロダクトの現状だったり新規サービスのローンチなどのスタート地点は、理想の状態よりも低い位置に存在しています。
その時に、
- そもそも理想の状態はどうなったら達成しているのか?
- 理想まで辿り着くには何をしたらいいのか?
を考えるのがプロダクトマネジメントの仕事であるということです。
dely では、この "理想に到達する" 手段として、MVP (Minimum Viable Product) プロセスを採用しているようです。
画像下半分のように、最低限の価値のあるものを開発 & リリースし、そのサイクルを複数回行うことで理想の形に近づけていけます。
セッションでは、MVP プロセスを採用することのメリットとして、大きな不確実性の排除が可能であることも語られていました。
画像上半分のウォーターフォール型開発と呼ばれるプロセスでは、最後のステップでようやくプロダクトができるので、そこに到達するまでの開発上の問題だったり、そもそもプロダクトのデザインがイケてなかったりなど、理想の状況に到達するまでに大きな不確実性が発生してしまいます。
一方、MVP プロセスでは、理想に到達するまでに開発を小さなステップに分けて行うので、大きな不確実性を排除して、確度を上げて価値あるプロダクトを開発できるようになります。
また、MVP プロセスでは、各ステップでユーザにプロダクトが届けられるので、ユーザから随時フィードバックを受けることができます。 これによって、そもそもの理想が間違っていたので方向転換しよう!ということも可能になり、より素早く柔軟に価値あるプロダクトを届けることができるのも良い点です。
dely では、より素早く意思決定を行い効率的に開発を進めていくために、Squad 組織という組織体制を敷くよう変更したという話もありました。
日本でよくみるピラミッド図のような組織体制ではなく、チームを細分化し、それぞれが KPI に向かって独自の裁量を持って突き進んでいくという体制です。
これにより、意思決定がボトルネックとなる開発の遅れが解消できるだけでなく、担当者がプロダクトを自分ごととして捉えられるようになり、自走できるチーム作りも行えるというメリットがあるようです。
こちらの Squad 化については詳しく語られませんでしたが、後日共有いただいた坪田さんの note に詳細が書いてありますので、興味のある方はそちらをご覧ください。
開発体制をSquad化してきてわかってきたコツと課題|坪田 朋
Figma 使い方パート
こちらのパートでは、dely の 20 卒のデザイナーの遠藤さんという方が担当して、実際に Figma を使いながらデモを見せる形式で進めてくださいました。
内容は主に、
- ショートカットを体で覚えよう
- パーツは再利用しよう
- シェアするときはスクリーンショットと URL をシェアしよう
の三つに分かれており、それぞれで実際に Figma を触りながら、説明してくれました。
ショートカットを体で覚えよう
Figma の良いところは、サクッとデザインを作成できて、手軽にシェアできるところだと思います。 そのため、ショートカットキーを覚えて、デザイン作成するスピードを上げていくことはとても重要なスキルになります。
このパートでは、遠藤さんがライブデモとして、実際に Figma のロゴを手早く作ってくれました。 デザイナーさんの作成している姿を初めて見たので、ショートカットキーの大事さだったり、スピード感だったりを肌で感じることができました。
パーツは再利用しよう
Figma の二つ目の良いところは、他人が作成したデザインパーツを再利用できるところです。 ガンガン再利用して、クオリティの高いデザインを手早く作ることが可能になります。
このパートのデモでは、クラシルのレシピページのスクリーンショットを元に、レシピの量を人数分で動的に変化させられるデザインを作成していました。 こちらも、すごい早さでデザインが出来上がり、実践的なテクニックとして、とても有意義なデモでした。
また、クラシルでは、基本的な UI のパーツなどがみんなで利用できる場所に置かれているらしく、誰でも手軽にクラシルのページのデザインをクオリティ高くできるようです。
シェアするときはスクリーンショットと URL をシェアしよう
最後のパートでは、Figma を使ってチーム開発するときの Tips 的な内容になります。 Figma では URL をシェアするだけで、自分の作成したデザインを共同編集できるものとして共有することができます。 しかし、URL だけシェアしたのでは、例えば slack 上では、何があるのかパッとわかりません。 なので、そこのコミュニケーションコストを減らすためにも、URL のシェアと一緒に作成した Figma のスクリーンショットも添えてあげると良いようです。
所感
私は、新卒入社3年目のエンジニアなので、今回の勉強会の対象者ではなかったのですが、普段関わりのない領域の考え方に触れられてとても楽しく参加できました。 自社のプロダクトマネジメントの部署にいる人たちの様子を振り返ってみて、dely さんと比較してみて、同じように取り組んでいる部分とそうでない部分とが見えてきて、そういったところも面白かったです。
今回の勉強会は、新卒向けのものだったので込み入った話をしなかったのかなと思いますが、実際に Squad に分割する上での注意点であったり、MVP の単位はどうやって決めているのかなどのケーススタディも聴きたかったな思いました。
実際、考え方やメリットは分かっても、いざ実行に移すとうまくいかない、というのがこういった手法の常だと思うので、成功・失敗のケーススタディは是非聞いてみたいです。 なんなら他の会社も聞いてみたいので、他の会社が主催するプロダクトマネジメントに関する勉強会も参加したい欲が高まりました。
Figma のパートについては、入念に準備がされていたし、遠藤さんの発表がわかりやすかったので、満足度の高い勉強会でした。 実際にデザイナーさんがデザインを作っていく作業を見ることはなかなかないので、それだけでも貴重でしたし、尚且つ、作業する上での考え方とか気を付けるポイントも一緒に解説してくださって、個人的に Figma を触ってみようという気持ちになりました。 Figma の機能的にもまだまだアドバンスドな内容もありそうだったので、次回 Figma 勉強会が開催されることを期待しています!